先日、球界の大投手・藤川球児の引退会見がありました。
「22年間の野球人生はどのようなものでしたか?」
という質問に応える球児が涙を堪えるシーンに注目してください。(13:00頃)
「泣く」時には、お腹がギューッとなり、心臓がドキドキし、背中に汗が流れ、これらを発散するためにわーっと大声になり、顔もグシャーっとなります。これに対して、球児は口をグッと閉じ、下を向いていますね。
泣く衝動と、その衝動を抑えようとする衝動と、2つの衝動がからだの中にあります。
こういうからだの状態を、心側から表現すると、「堪える」と言います。堪えている時の口元をご覧ください。ブルブルと震えていますよね。これを運動の側から表現すると「力みがある」と言ってもいいでしょう。
力んでいる感じに気づいたら
ハーモニー体操の際中に、「力んでいる感じに気づいたら、やり方を変えるか、引き返してください」と指示が出ることがあります。力みがあるという事は、運動の観点からすると衝動がロスしているからです。ですから、運動という点からするとマイナスです。
でも「運動という観点」から見た場合の話。良い/悪い、は状況に合わせて、どの観点から見るかで、コロコロ変わります。
球児が投げる時、阪神ファンは自分が投げているような錯覚を起こします。そんな球児が生き方を転回しようとする瞬間、震える姿に、ファンのからだも同じように震えます。ファンにだっていろんな人間がいる。そんなバラエティに飛んだファンの思いを入れることのできる、スケールの大きな選手でした。
球児の一球には、どうしてファンの思いが乗り移るのか? 会見によく現れています。会見はぜひ前・後半を通してみていただきたいです。
後半
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